色と光の関係について考える (2)2013.06.20

前回「色と光の関係について考える (1)」では、光源のスペクトルの違いについて言及しました。
スペクトルとはいわば光源が持つ光の色の種類。スペクトルが違えば、その下の物体の色も異なって見えるはずですね。私たちは光源による物の色の見え方を「演色性」という言葉で評価しますが、演色性とは何か、改めて考えてみたいと思います。
色と光②top


演色性とは
歴史的に、光源の演色性が重要視されるようになったのは、1938年に蛍光ランプが出現してからだそうです。それまでの光源といえばろうそくか白熱電球。発光原理はどちらも熱なので、分光分布は滑らかで物の色の見え方には大きな違いが感じられず、演色性に対する問題は生じなかったと考えられます。
現在の演色性評価は、人間が長い間慣れ親しんだ自然光をお手本として基準が決められています。多くの自然光の分光分布実測データを統計的に解析することにより、演色性評価の基準となる光は定められています。基準の光と比較してどれだけ同じように見えるかを評価するのです。
またこのとき比較する試験色として定められているのが「平均演色評価用」の8色(No.1~8)と「特殊演色評価用」の7色(No.9~15)です。いわゆる平均演色評価数(Ra)とは、前者の色の見え方のズレの平均値を指し、このRa値が高いほど、演色性が高いと評価されます。ちなみに、Ra100の光源は太陽と白熱電球。白熱電球はその発光原理から、分光分布が黒体放射に近いためです。(黒体は物理学的に定義された“真っ黒な物体”で、熱されることで色が変化し、光源の色温度の基準とされています。)

<演色評価色票> ※実際の色票とは若干異なります。

20130620_2


LED
の演色性
LEDが照明器具として普及するようになってから6、7年になります。当初は「LED=演色性が悪い」という印象もありましたが、現在は国内の主要メーカーであればRa80以上の商品が揃っています。下の表はCIE(国際照明委員会)によって推奨されている用途別の演色性の基準ですが、これを見ればLEDも、一般的な環境下では十分使用可能な水準に達していることが分かりますね。

<用途と演色性(CIE 1986)>
20130620_3


演色性評価方法の問題点
現在の演色性評価方法はあくまでも、基準光での色の見え方をいかに忠実に再現できるかが指標となっています。しかしこの方法の弱点は、人間にとって「より好ましく」色が見える場合も、ズレとしてマイナス評価となってしまうことです。日常生活の中では、例えばレストランでの食事の色など、忠実な色再現よりも、より美味しそうに、あるいはより美しく見えることが大切な場面もありますよね。

本来評価軸として必要だった「どちらの色が好ましく見えるか」という観点は、数値化の難しさから現在は考慮されていません。しかし研究は進められており、将来は演色性の基準も見直されていくことが考えられます。そういう意味では、ある程度の演色性評価水準を超えた光源であれば、それはあくまでも参考値として捉え、実際の色の見え方を目で見て確認することが大切といえますね。

色と光②fin